UNESCO本部(パリ)では2年に一度、国連加盟全193か国の代表らが集まるGeneral Conferenceが行われる。第40回を迎えた今回は11月12日から27日まで開催され、A. グテーレス国連事務総長も出席するなか、僕はその総会の一部である特別行事に招聘され演奏とスピーチを行なってきた。これはUNESCOとテノール歌手A. ボチェッリ氏が創設した教育財団が共同開催する行事で、「創造性ある芸術教育」がいかにその潜在能力を解き放ち、世界平和のための相互理解や寛容性・対話・連帯への助けとなり得るかがテーマである。
政治家や教育者など分野別研究が発表されるなか、僕はひとりUNESCO本部を代表する立場で、「音楽」が人の心を変える力を持つことや、困難な状況下にある人々の助けやエネルギーとなってくれることを、20年以上務めるUNESCO Artist for Peaceとして、またその任命前の活動から得た経験を述べ、そして演奏をした。
http://www.unesco.org/new/en/media-services/single-view/news/japanese_violinist_eijin_nimura_participates_at_the_event/
僕が若い頃は自分の個性の確立や、その世界観がいかに評価してもらえるかという点を重視していた。しかし今では音楽そのものが持つ美しさを追求することが、ひいては社会に貢献できるものになると確信するようになった。
これまで、ヴァイオリンから生まれる音が紛争地や被災地への支援に少しでも役に立ってもらえることを願い、更に次元を超えて亡くなられた方たちの世界にも音が届いてくれていると信じて演奏してきた。
「音楽にできること」をどこまでも探求し実現させてゆく、その意志を自分のライフワークとして今後も演奏活動を続けてまいります。