去る12月3日国際障がい者デーに合わせてパリ・UNESCO本部では啓発記念行事が行われ演奏をしてきました。
僕の実質的な社会活動は、1996年ユーゴ内戦直後のサラエボを訪問しチャリティー・コンサートを行なったことからスタートしました。それはまだUNESCO平和芸術家に任命される前のことです。サラエボの街は容赦なく破壊され、戦闘や地雷によって手脚を失った人たちが苦しむ姿を目の当たりにし、自分にはもっと何かできないかと自問したものです。サラエボ滞在中に意を決し、職業復帰訓練所への多数の義手義足の寄附を申し出ました。それらが彼らの第2の人生の助けになってくれることを願っての寄附でした。思い返せば、障がい者への支援が言わば僕の社会活動の原点とも言えます。その経緯をUNESCOも汲み取り、今年3月シンガポールでのTrue Colours Festivalへの招聘や今回パリでの演奏依頼に繋がっているのだと思います。
国際障がい者デーでのUNESCOでは、障がいのある方とない方との機会格差を無くすことについて、多くの人が認識し改善に繋げることがテーマとなりました。僕は演奏家の立場から、“生の音楽”に接する機会をより平等にできるよう、関係者などと協議してゆく旨を述べ、他の方たちへも提唱しました。あらゆる面で日本が世界に誇れる国になってくれることを願い、今後も微力ながら協力させて頂きたいと思います(中央写真は聴覚障がいを持つピアニストAzariah Tan君と全盲の歌手Jane Constanceさん)。
その他パリでいくつかの演奏を終えた後は、ブダペストに行き日本大使公邸でも演奏いたしました。現任の在ハンガリー日本大使は前・ユネスコ代表部大使であられた佐藤地氏。共演にはウィーンから素晴らしいチェリスト・宇野君(右写真)を迎え、各国大使の方々に僕らの演奏を楽しんでいただけたことは大変栄誉に感じます。日本と祖先を共有すると言われ、音楽分野ではF. リストを始め多くの偉大な音楽家が生まれたハンガリー。2019年に外交開設150周年を迎える日洪友好関係の益々の発展、そして美しいハンガリー文化にもっと触れていたい強い願望を抱きつつ帰国便に乗りました。
今回もユネスコ代表部の山田滝雄大使を始めUNESCO本部の方たちや、縁ある方々の厚意の有難さをしみじみと感じた演奏旅行。この場を借りて御世話になった方々へ心から御礼申し上げます!