この10月22日でUNESCO Artist for Peace(平和芸術家)に任命されて20年を迎えました。
子どもの頃、米国で著名な演奏家が社会活動を積極的に行なっている姿を見て、自分も将来はそんな音楽家になりたいと思ったものでした。その願いが25歳の時、内戦直後のサラエボでの支援活動を始めたことで叶い、その時点から若いなりに一生懸命社会活動を続けていたところ、国連に注目され28歳のとき日本人として初の任命となりました。
UNESCO Artist for Peaceになった当初は、自分はもっと特別なことをしなくてはならないのではないかと悩んだ時期もありました。しかし世界の各地で演奏活動を行なっていくうちに、自分の職業である演奏家にしかできない社会活動を続けてゆくべきであると気付き、20年という時間が経ちました。世界が抱える悩みは尽きませんが、演奏ができる限りヴァイオリニストとして社会活動に参加してゆきたいと思います。
さて、先日はpf佐野隆哉さんとvc玉川克さんのご協力を得て、日本赤十字社と日本演奏連盟が行う福島支援事業にて相馬農業高校飯舘校の生徒さんの為のコンサートを行なってきました。同校のホームページによれば震災・原発事故の影響により70年もの歴史ある学校が来年で廃校となるそうです。小学生の頃に震災に遭い、現在も不自由な環境で学習しなければならない生徒さんたちの心に、僕らの演奏が楽しい記憶として残ってくれることを願っています。
今後も長く必要とされる福島支援。機会があれば何度でも演奏をしにまいります。
21年目に入ったUNESCO Artist for Peaceとしての演奏活動。より実質的なものにしなければならないと身の引き締まる思いです。