Posting on 1 June 2015 for BLOG 

ここ数日の噴火や地震など、被害に遭われた方々へ心よりお見舞い申し上げます。
4月のネパール大地震や我が国での頻繁な噴火など、異常と言える自然現象に案じている方もいらっしゃるのではなかろうか。近年の自然災害は愚かな人間への警鐘と謳われることが多い。先の大戦が終わって70年、護られるべき権利のひとつ「人間の尊厳」をテーマとした式典がUNESCO 70周年行事の一環として4月に開催され、僕もその場に招待された。列席したのは潘基文・国連事務総長を始め各国の閣僚級代表者たちだ。出席して再認識したのは、世界は20世紀前半まで侵略や破壊、植民地支配など力によって「攻める」歴史を歩んできたが、国連が発足してからは様々な権利・事柄が「護られる」歴史へと変えられてきたことだ。潘事務総長は語った『子どもの頃、朝鮮戦争によって全土が破壊され、学校には屋根もなく教科書もなかった。その時UNESCOから一冊の教科書が支給され、自分たちはそれを書き写した。UNESCOが無かったら自分は今この場に立っていない』。
教育によってひとりの人生をいくらでも変えることが出来るのは、全ての人々に対して言えることであり、いかに教育が重要であるかを示している。「教育」がしっかり為されれば「貧困」を防ぐ手立てにもなり、「貧困」を無くして生活格差を縮めることができれば、「争い」もかなり減少するであろう。
今月UNESCOの年次総会に僕も出席する。そこで取り上げられる議題の半分はやはり「教育」に関する事柄である。東日本大震災の影響を未だに受ける被災地の子どもや若者たちの現状、今後望まれる展開など自分の思いの丈を述べ、世界中へあらためて東北支援の継続を呼びかけたい。
4月の式典の立役者であるファルトUNESCO事務局長補(写真下)は、これまで中東・アジアなどの政情不安下の国々で国連平和維持活動の重要なポストを歴任された。去る2月に面会した際、ファルト氏から発せられる平和構築への強いイデオロギーを感じた僕は、「平和芸術家」として一演奏家の自分がどこまで可能性を拡げてゆけるか、益々その役割の重みと責任を自覚して執務室を後にした。
早くも暑さが到来していますが、皆さんどうぞご自愛ください。