今年3月11日午後2時46分という時刻を、作家・宮澤賢治が眠る花巻の身照寺さんで迎えた。「宮澤賢治」は僕が子どもの頃から大好きだった作家だ。震災後『雨ニモマケズ…』の詩に共感を覚え勇気づけられた方々も多いと聞く。ご住職様の“黙祷”の掛け声と共に、町内に鳴り渡るサイレンの音が心を刺し、その哀しい響きに胸が詰まる。引き続いて行なった献奏が犠牲者の御霊に届いてくれることを願う。その日は朝から献奏のため、数ヶ所を廻っていた。実際に被害に遭っていないと本当の気持ちはわかり得ないとはいえ、せめて置かれている境遇を可能な限り理解したいと思ってきた。しかし3年経っても、被災された方々の辛い思いに近づこうとすればするほど、掛けられる言葉は消えてゆく。どうか被災された方々一人ひとりの願いが一日も早く叶いますように。