先日から続くイスラエルとハマスとの戦闘に胸を痛めている。市民が犠牲になることはもちろん、武力によってしか解決出来ない事柄があってはいけない。戦争の世紀を脱した人類はもうその歴史を繰り返してはならないのだ。己の持つ「正義・尊厳」を守ることは大切だと思う。それが正しければ良い結果が生まれる。しかし不純な「正義」は結果として「都合」となり、「尊厳」は「意地」となってしまい争いの基となる。
以前ユネスコ平和芸術家として僕が仲介に入り、パレスチナ自治区内でイスラエル人とアラブ人との共演を実現させるという和平コンサートをラマッラで開催した。これには当時のアラファト議長も賛同してくれ出席する事が決まっていたが、当日爆弾テロが起きた為に警戒が強まり、残念ながら議長は出席出来なかった。しかし僕のコンサートで両者の共演という願いは実現することが出来た。自分の立場で最大限可能な事への達成に意義があった。
日本・イスラエル国交60周年のイベントに出演したのは、中立であるが故に断る理由はなく、また同胞である杉原千畝氏を称える題材でもあったからだ。僕は政治家でもなく外交官でもない一介のヴァイオリン弾きだ。しかし「平和」を願うことは出来る。駐日イスラエル大使にはこれからも「平和」の為に、演奏家として可能な貢献を続けてゆく意志を告げた。ラマッラで行なえたようなコンサートをいつの日かまた実現させたい。人の強い願いや思いはきっと伝わると信じる。